女たらしのろくでなしであるウサギ。

 苦労することが目に見えていた。

 だから付き合うことになるなんて、夢にも思っていなかった。

「何だよそれ。俺、好かれてたんじゃなかったのかよ」

「だって、まさか女遊びやめるとか思ってなかったし……」

「ああ、それもそうだよな。俺も今決めたもん」

 アリスは想定外の展開に戸惑う。

 ウサギの彼女になるなんて実感がまるで湧かない。

「えぇぇ……。あたし、ウサギの彼女かぁ……」

「嫌そうな顔すんなよ」

「だって、あんた普通じゃないし」

「しょうがねーだろ。普通じゃねえ俺に惚れたんだから」

 それはそうなのだが。

 そもそもそう仕向けたのはウサギだった。

 見事に術にかかってしまったアリスは、もう引き返すことが出来ない。