君と生きたあの夏を、ひまわりだけが覚えている

「君の余命は、持ってあと1年です」

白い壁の診察室で、医師の言葉は驚くほど淡々と響いた。
17歳の夏。これからいくらでも楽しいことが待っているはずの僕の人生に、
突然、冷酷な終わりが告げられた。

不治の病。

特効薬はなく、ただ身体が衰えていくのを待つだけ。

病院を出ると、世界は残酷なほど美しい青空に包まれていた。
周りを行き交う人々は、みんな楽しそうに笑っている。
どうして僕だけなんだろう。なんで僕が死ななきゃいけないんだ。

生きる意味を見失った僕は、あてもなく電車に乗り、祖父の家がある田舎町へと向かった。
そこにある、幼い頃に一度だけ行った古いひまわり畑。
せめて最後は、一番綺麗な景色の中で消えてしまいたかった。

誰もいないひまわりの丘に立ち、僕は深く息を吸い込む。
胸の奥がズキリと痛み、激しいめまいが襲ってきた。
世界がぐにゃりと歪み、真夏の太陽の光が、強烈な純白の光へと変わる。

「っ……」

声も出ないまま、僕はその場に崩れ落ちた。
これが、僕の人生の終わりなんだ――そう思った