ランナの両親であるガイスとエリーナは今、ジョルノ国の辺境の街・モーメントで二人で暮らしている。
元々はランナとポーラを含む一家4人で住んでいた家であり診療所だが、両親の失踪後はランナとポーラが薬師となり引き継いでいた。
ランナとポーラが嫁いだ今は、また両親が戻ってきて薬師となり診療所を引き継いでいる。
今日も家には多くの患者が訪れている。初老の男性は久しぶりに見る夫婦の姿に涙を浮かべている。
「ガイス先生、エリーナ様、お久しぶりです。戻って来てくださって嬉しいです。やっぱり私にはお二人の薬が一番効きます」
16年以上前に二人が王城に連行された時の事を知る住民は多いが、詳しい事情は知らされていない。
ただ、国からは二人を『処刑した』との通達があったので、街の人たちはランナとポーラに『両親は死んだ』と伝えていた。
今でも二人を慕う住民は多く、神格の聖者である夫婦の魔法薬を求めて来る患者は尽きない。
しかし、訪れる患者の誰もが新たな疑問を口にする。それは当然の内容だった。
「今度はランナちゃんとポーラちゃんが王城に連行されたと聞きましたが、何があったのですか?」
まるで両親と入れ違いのようにランナとポーラがいなくなったので心配の声が多い。
しかしガイスは、この質問の返答には慣れてきた。その答えを堂々と誇りを持って返せるのが嬉しい。
「連行ではありませんよ。ランナとポーラは国王に嫁いだのです」
多くの人はそれを冗談と捉えて笑うが、真実を知って街中が大騒ぎになるのは、まだ少し先の話。
今日の診療は午前中のみで終了して、ガイスはリビングの椅子に座って休憩している。
キッチンで料理をしていたエリーナが白いエプロン姿でリビングに入ってきた。ガイスは壁掛け時計を見て時間を確認する。
「もうすぐ来る頃かな」
「昼食にはハンバーグを作ったわ。ランナとポーラの好物だから」
「お、いいね。僕も好きだよ、エリーナのハンバーグ」
昔と変わらない会話をしていると、玄関のドアの呼び鈴が鳴る。エリーナが駆け足で玄関まで行くとドアの鍵を開ける。
ドアを開けると、ランナが飛び込むようにして家の中に入ってきた。
「母さん、ただいまっ!!」
「ランナ、お帰りなさい」
ランナの後ろにはヒルもいて、国王にしては控えめな装いと態度で頭を下げる。
エリーナの後ろからガイスもやってきて、玄関先のランナを見ると優しく微笑む。
「お帰りランナ。そして小さな王子様は初めまして、だね」
ランナの腕の中には生後一ヶ月ほどの赤子が抱かれている。金髪金眼の小さな向日葵のような子で無邪気に笑っている。ヒルにそっくりだ。
「父さん、ただいま! ふふ、可愛いでしょ? 名前はヒルマ。よろしくね!」
「ヒル様によく似ているね。すでに王の貫禄があるよ」
「ランナにも似てるわよ。笑った顔がそっくり」
ランナとヒルの息子の名前はヒルマ。ヒルの前世である悪魔の名前をそのまま受け継いだ。そして未来の第三国王である。
元々はランナとポーラを含む一家4人で住んでいた家であり診療所だが、両親の失踪後はランナとポーラが薬師となり引き継いでいた。
ランナとポーラが嫁いだ今は、また両親が戻ってきて薬師となり診療所を引き継いでいる。
今日も家には多くの患者が訪れている。初老の男性は久しぶりに見る夫婦の姿に涙を浮かべている。
「ガイス先生、エリーナ様、お久しぶりです。戻って来てくださって嬉しいです。やっぱり私にはお二人の薬が一番効きます」
16年以上前に二人が王城に連行された時の事を知る住民は多いが、詳しい事情は知らされていない。
ただ、国からは二人を『処刑した』との通達があったので、街の人たちはランナとポーラに『両親は死んだ』と伝えていた。
今でも二人を慕う住民は多く、神格の聖者である夫婦の魔法薬を求めて来る患者は尽きない。
しかし、訪れる患者の誰もが新たな疑問を口にする。それは当然の内容だった。
「今度はランナちゃんとポーラちゃんが王城に連行されたと聞きましたが、何があったのですか?」
まるで両親と入れ違いのようにランナとポーラがいなくなったので心配の声が多い。
しかしガイスは、この質問の返答には慣れてきた。その答えを堂々と誇りを持って返せるのが嬉しい。
「連行ではありませんよ。ランナとポーラは国王に嫁いだのです」
多くの人はそれを冗談と捉えて笑うが、真実を知って街中が大騒ぎになるのは、まだ少し先の話。
今日の診療は午前中のみで終了して、ガイスはリビングの椅子に座って休憩している。
キッチンで料理をしていたエリーナが白いエプロン姿でリビングに入ってきた。ガイスは壁掛け時計を見て時間を確認する。
「もうすぐ来る頃かな」
「昼食にはハンバーグを作ったわ。ランナとポーラの好物だから」
「お、いいね。僕も好きだよ、エリーナのハンバーグ」
昔と変わらない会話をしていると、玄関のドアの呼び鈴が鳴る。エリーナが駆け足で玄関まで行くとドアの鍵を開ける。
ドアを開けると、ランナが飛び込むようにして家の中に入ってきた。
「母さん、ただいまっ!!」
「ランナ、お帰りなさい」
ランナの後ろにはヒルもいて、国王にしては控えめな装いと態度で頭を下げる。
エリーナの後ろからガイスもやってきて、玄関先のランナを見ると優しく微笑む。
「お帰りランナ。そして小さな王子様は初めまして、だね」
ランナの腕の中には生後一ヶ月ほどの赤子が抱かれている。金髪金眼の小さな向日葵のような子で無邪気に笑っている。ヒルにそっくりだ。
「父さん、ただいま! ふふ、可愛いでしょ? 名前はヒルマ。よろしくね!」
「ヒル様によく似ているね。すでに王の貫禄があるよ」
「ランナにも似てるわよ。笑った顔がそっくり」
ランナとヒルの息子の名前はヒルマ。ヒルの前世である悪魔の名前をそのまま受け継いだ。そして未来の第三国王である。



