朝昼夜の三重人格な陛下と、第三王妃の聖女な薬師

 それから少しの年月が経った頃。
 ジョルノ国の白薔薇の庭園には、朝の散歩をする第一国王・アサと、第一王妃・モニカの姿があった。
 朝の日課でこの庭園を散歩する市民も多く、アサとは顔馴染みで気軽に声をかけ合っている。
 庭園を歩いていた男性が、アサとモニカの姿に気付くと明るく声をかけてくる。

「アサ様、モニカ様、おはようございます! 今日は良い天気ですね!」
「おはようございます。はい、良い天気でしたので、今日は三人で散歩に来ました」

 アサの隣を歩くモニカは四輪の白いベビーカーを引いている。そこにはアサにそっくりな銀髪碧眼の赤子が乗っている。

「おはようございます。ふふ、この子を連れてくるのは初めてですわ」

 モニカが爽やかな笑顔で返すと、それに気付いた市民が一斉にベビーカーの周りに集まってくる。

「おぉ、なんと可愛らしい!」
「王子様ですか、お姫様ですか? お名前は何と仰るのですか?」

 アサとモニカに子供が生まれてからまだ一ヶ月ほどで、その詳細は国民に浸透していない。
 だからこそアサは、散歩の途中でも堂々と子供の名前を伝えて歩く。

「男の子です。名前はアサルトです」

 王子の名前はアサルト。アサの前世である悪魔の名前をそのまま受け継いだ。
 悪魔ではなく人間として生まれたアサルト王子は、未来の第一国王としてジョルノ国を背負う存在となる。