恐る恐る顔だけをセンティに向けると、彼は眉を下げて憐れむような顔をしていた。……当然の反応だ。
「驚いたでしょ? ……私の血の色」
「うん。紫色なんだね」
「そう……私自身にも毒性があるの。だから魔物も近寄らない。あなたも近寄らないで」
リィラは髪も瞳も……そして血の色すらも。全身が毒性の紫色に染まっている。
センティは全身を巻いている白いマントの中から何かを取り出した。そしてリィラの前まで歩み寄ると屈んで地面に片膝を突く。
「ちょっと、近寄らないでって……!」
「大丈夫だよ。ちょっと動かないで」
センティはリィラの足の脛、足首に近い部分の傷に白いハンカチを巻こうとしている。包帯の代わりなのだろう。
リィラは大人しくしているものの、声は動揺している。
「そんな事したら、そのハンカチが……!」
「いいよ、あげる。ねぇ、この里に他に人はいないの?」
リィラは気付いた。センティは毒を持つリィラを憐れんでいたのではない。純粋に怪我の心配をしていたのだと。
そして、わざと話題をそらしてくる。センティという王子の心は汚れなく澄んでいる。毒性を持つ自分とは正反対だと思った。
全身がパープルのリィラは、なぜか頬だけを赤く染めて眼下のセンティに答える。
「この里には私しかいない。私が最後の生き残り」
「え? 一人だけなの? 何があったの?」
「何もない。みんな寿命。この里の者は毒を持つから短命なの」
「そうなんだ。寂しいね」
つまり体内の強い毒性は自身をも蝕んで寿命を縮めている。毒の種族の血筋は間もなく尽きる運命にあった。
「驚いたでしょ? ……私の血の色」
「うん。紫色なんだね」
「そう……私自身にも毒性があるの。だから魔物も近寄らない。あなたも近寄らないで」
リィラは髪も瞳も……そして血の色すらも。全身が毒性の紫色に染まっている。
センティは全身を巻いている白いマントの中から何かを取り出した。そしてリィラの前まで歩み寄ると屈んで地面に片膝を突く。
「ちょっと、近寄らないでって……!」
「大丈夫だよ。ちょっと動かないで」
センティはリィラの足の脛、足首に近い部分の傷に白いハンカチを巻こうとしている。包帯の代わりなのだろう。
リィラは大人しくしているものの、声は動揺している。
「そんな事したら、そのハンカチが……!」
「いいよ、あげる。ねぇ、この里に他に人はいないの?」
リィラは気付いた。センティは毒を持つリィラを憐れんでいたのではない。純粋に怪我の心配をしていたのだと。
そして、わざと話題をそらしてくる。センティという王子の心は汚れなく澄んでいる。毒性を持つ自分とは正反対だと思った。
全身がパープルのリィラは、なぜか頬だけを赤く染めて眼下のセンティに答える。
「この里には私しかいない。私が最後の生き残り」
「え? 一人だけなの? 何があったの?」
「何もない。みんな寿命。この里の者は毒を持つから短命なの」
「そうなんだ。寂しいね」
つまり体内の強い毒性は自身をも蝕んで寿命を縮めている。毒の種族の血筋は間もなく尽きる運命にあった。



