海の底できみを探す

朝に図書室に来る人はなかなかいない。
今朝は図書室を利用する人もおらず、結局、朝早く来て先輩の横で読書しただけだった。


本を片付け、カウンターのうえに目をやる。



「先輩、私鍵持っていきます」

「……」



図書室開けるときはやってもらったから、閉めるときは私がやろう。

鍵、職員室まで戻しに行かなきゃいけないし。


カウンターにある鍵に手を伸ばしたとき。



「……いや、いーよ」

「……えっ」

「俺やる」



そんな声とともに、横からいつの間にか鍵をかっさらわれてしまった。

閉めるときもやってもらうなんて、さすがに申し訳ない。



「いや先輩、ここは私が」

「……」



スタスタと歩き去ってゆく先輩。

スタイルいい。足が長い。速い。

図書室の扉のところで、先輩がこっちを振り返る。



「……閉めるから」

「あ、はい……」



図書室に閉じ込められそうな状況に、図書室の外まで急いで出る。

素早く鍵をかけた先輩が、またもやスタスタと立ち去ってしまう。



「あ、……先輩!今日はこの後もよろしくお願いします!」

「……」