聖女の力のない令嬢の織った布に、冷徹公爵は恋をした。





「……閣下は」


 リディアは布を受け取りながら、思い切って言った。


「いつも、そういうことを言ってくださいますね」

「そういうこととは」

「私が自分を、ちゃんと見られるようなことを」


 アルシェは少し間を置いた。


「おかしいか」

「いいえ」


 リディアは首を振った。


「嬉しいです。ただ……なぜ、私にそうしてくださるのか、と思って」