異世界に迷い込んだら、三兄弟の愛が重すぎて帰れない!

私の頭はミステリーでいっぱいになり、本来の目的である掃除のことはすっかり忘れてしまっていた。



ウォルト様は小説を読み終える二時間弱、ずっと話していた。私はウォルト様の腕が離れてすぐに膝の上から抱き、「ずっとお話をしていて、お疲れではありませんか?」と訊ねた。お茶を持ってきた方がいいかもしれない。

「大丈夫だよ。華に読み聞かせをする時間が楽しくてね。永遠にあの時間が続いてほしいと思ったくらいさ」

ウォルト様は小説を本棚に戻した。この本棚にあるのは全てミステリーだろうか。どんなお話なんだろう。本棚を見ていると、ウォルト様が言う。

「華、気になる本があるならいつでも君のために読むよ」

「ありがとうございます。でも、この世界の文字を早く覚えないといけませんね」

いつ元の世界に帰れるかわからない。早く帰りたいけど、ここで生活することを考えたら文字の読み書きはできないと。

「華は頑張ってると思うよ。絵本はもう問題なく読めているし」