「天音さん、ごめんなさい。私のせいでご迷惑をおかけして」
桜花ちゃんが申しわけなさそうに僕を見てくる。
「ああ、ううん、いいよ、このくらい。僕も少し、気になるし」
「そうですか」
桜花ちゃんはほっとしたように胸をなで下ろした。
手紙の送り主を突きとめないと、皐月がうるさそうだしね。
僕は読みかけのミステリの本を机の中にしまって、改めて三枚の紙を見つめた。
一枚目には、『赤い花のイラスト、数字の1と2』。
二枚目には、『白い花のイラスト、数字の1』。
三枚目には、
『にうどいかっほ
のりかばたれまう
がめもか
きひご
いいわか
だ
いしいおごん』
三枚目は、特に意味のわからない文字が並べられていた。
なんだろうと首を傾げていると、キーンコーンカーンコーンとチャイムが鳴った。
朝のSHRの時間だ。
自分の教室に戻ろうとする桜花ちゃんに僕は声をかける。
「桜花ちゃん、この手紙、僕が預かっていてもいいかな?」
「はい、お願いします」
桜花ちゃんはこくりと頷いて、教室を出て行った。
残された僕と皐月は、手紙をまじまじと見つめる。
「誰だか知らないが、桜花に嫌がらせしたこと、後悔させてやる」
皐月が今にも人を殺しそうな形相で言うものだから、僕はまぁまぁ、とそれをなだめた。
「まだ嫌がらせと決まったわけじゃないから」
とは言いつつも、この三枚の手紙の意味はまだわからない。
桜花ちゃんになにか、伝えたいことがあったのかな……?



