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王子の隣は問題児
神楽堂/著

総文字数/14,948

青春・友情6ページ

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 私立聖クラウン学園は、気品と規律に満ちた名門校だ。  その象徴ともいえる存在が、生徒会長・天城恒一。銀縁眼鏡に隙のない制服、学年首席の成績と完璧な品行から「白銀の王子」と呼ばれ、全校生徒に仰ぎ見られている。  転校生・如月ハルは、初日に顔面から校門前に激突。ネクタイが背中に回ったまま現れた問題児だったが、その圧倒的な美貌で校内を騒然とさせる。  天城はその場でネクタイを直してやるが、如月は「よろしくね、王子」と気安く呼ぶ。  転校初日から食堂・校舎裏・別クラスを自由に徘徊した如月を、天城は全校捜索する羽目に。  理事長から如月の更生を命じられた天城は、翌朝から迎えに行くことを決意する。  しかし、如月は二階のベランダから布団ごと飛び降り、靴下は左右違い、筆記用具は忘れ、授業中は勘で正解を当て、家庭科実習では黒煙を上げる。  帰り道に如月がぽつりと「迷惑かけてごめん、ちゃんとやろうとして失敗するだけ」と言う姿に、天城は彼が悪意のない、ただ放っておけない問題児だと気づき始める。  球技大会では、如月が身体能力を発揮し、クラスを勝利へ導く。  校舎裏で天城は初めて「完璧でいなければならない」という自分の重荷を口にする。  如月もまた、前の学校で「期待している」と言われ続けた末に「最初から頑張らないほうが楽」と逃げるようになった過去を明かす。  二人は不器用な形で、互いの本音に少しだけ触れる。  学園最大の行事・聖クラウン祭では、天城が主演の白薔薇の王子役、如月が黒薔薇の騎士役に抜擢される。  稽古中、如月は台本を三回なくし、剣を落とし、マントで転び続けた。  それでも毎日最後まで残り、「天城が本気なら、隣くらいちゃんと立ちたい」と言う。  その言葉が天城の胸に静かに刺さった。  本番、幕が開くと如月は人が変わったように舞台に立ち、クライマックスでは台本を一行だけ飛び越え「完璧じゃなくても、お前はちゃんと王子だよ」とアドリブを放つ。
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