どうして僕が謎解きを?~秘密の手紙に隠された想い~


 僕は改めて一枚目と二枚目に描かれている、花のイラストを見る。

 赤い花と、白い花。


「この花は、一体なんの花だろう?」


 赤い花は、四枚の花弁を持つ、椿に似ているけれど、椿ほど形は丸くなく広がっている。
 白い花は、紫陽花に似ているけれど、真っ白だった。

 どこかで見たことがあるような気もするけれど、なんの花なのかわからない。


「なんの花だろうがどうでもいい。とにかくだ」


 皐月は僕を指差すとこう言った。


「天音、誰がこの手紙を桜花に送ったのか、特定しろ」
「ええ! どうして僕が!?」
「お前、好きだろ? こういうの」


 皐月はにやりと笑って、僕の読みかけのミステリの本を指差す。


「桜花に訳のわからない手紙を送ってきたやつを見つけ出して、説教してやる」
「ええー、だからってどうして僕が……」


 ぶつぶつと文句を言っていると、皐月が僕を睨みつける。
 いちいち睨むのやめてほしいなぁ、皐月は目つきがきついから余計怖いんだよ。


「天音、桜花が可哀想だと思わないのか?」
「え?」
「こんなにも可愛らしい桜花の靴箱に、訳のわからない紙が入れられてたんだぞ?」


 桜花ちゃんに視線を移すと、桜花ちゃんは兄の暴走を困ったように見つめ、肩をすくめた。


「まぁ、そうだけど……」
「だろ? そうだろ? なら、やることはわかるよな?」


 皐月は僕の肩にポンと手を置く。
 これってもしかして傍から見ると、僕がいじめられてるように見えるんじゃ。

 なんてことを思いながら、僕はしぶしぶ頷いた。


「わかったよ。手紙のこと、少し考えてみるよ」
「おっし! 任せた!」


 皐月がにっと笑うのと同時に、僕は盛大なため息をついた。