The Brave

店員さんがキッチンの方に向かった後、カレンちゃんがまた口を開く。

「今度、図書委員会と一般生徒を交えたビブリオバトルをするけど、紹介する本、決まった?」

「まぁ、一応」

「どの本?」

「前にカレンちゃんがおすすめしてくれた本。すごく面白かったから」

自分がそう答えると、カレンちゃんの目が見開かれる。でもすぐに表情は優しいものに変わった。

「マヤちゃん、読んでくれたんだ」

「面白そうだったから。実際、面白かったよ」

自分がそう言ってお冷やを口にすると、カレンちゃんが「そっか。嬉しい!」と笑う。その笑顔にまたドキッとして。

カランコロン。

カフェのドアに取り付けられたベルが鳴る。お客さんが来たんだ。何となく顔をそっちに向けて、ちょっと驚く。フローラちゃんとジェルメイヌが立っていた。

「あれ?マヤちゃん?」

「あら。マヤちゃんもここにいたんですね。お友達も一緒なんですね。……マヤちゃんに負けないくらい可愛らしいです」