チェンジ・アクト!〜桁外れの演技力とメイクの力で別人潜入調査!?〜

ピクンとまぶたが動いてしまう。

「そういえば、最近ウチの会社を調べようとしている者がいまして……。別にやましいことは何もないのですが、外部からの人間は警戒するように会長から言われていまして」

ブワッ、と冷や汗が出たのが分かった。

怪しまれているっ!

そう思えば思うほど、演技から本当の自分に戻ってしまいそうになる。

「加賀見さんは、違いますよね?」

そう言った川口さんの目は、するどかった。

厳しい視線で、私を見つめている。

きっと私が演技も、メイクもしていなくて、ただの中学生の沢井 優和だったら怖くて泣いていたかもしれない。

だって本当の私は、とても怖がりだから。

先ほどの帆高くんの言葉が頭をよぎる。

『優和、怖いのは普通だ。緊張するのも』

そう、怖いのは普通。

『もし失敗したら、俺が助けてやる。だから安心しろ』

でも、助けてくれる仲間がいるのはきっと普通じゃない。

それは、奇跡なくらい幸せなこと。

だからこそ、頼ってばかりの私は嫌だから。

帆高くんにも安心して背中をあずけてほしい。