チェンジ・アクト!〜桁外れの演技力とメイクの力で別人潜入調査!?〜

その時、べルルから声が聞こえた。

『優和、怖いのは普通だ。緊張するのも。……いつも通りで良い。いつもの空き教室だと思え。あの空き教室の演技に俺は感動したんだ』

喉の奥が熱くなるのが分かった。

表情は崩していないのに、心の奥にいる本当の私が帆高くんの言葉に感動している。

『もし失敗したら、俺が助けてやる。だから安心しろ』

きっと、私は怖かった。

失敗したらどうなるのか、嫌でも考えてしまっていた。

でも、帆高くんが助けてくれるというのなら……もう失敗したらなんて考えない。

今、私に出来ることは、加賀見 日菜を演じ切ることだけ。

「16時に面会の約束をされている加賀見様ですね。担当の者が、五階の応接室まで案内します」

受付のお姉さんが言った通り、担当者が降りてきて、私を五階の応接室まで案内してくれる。

エレベーターに乗っている間も、廊下も歩いている間も、もう緊張はなかった。