チェンジ・アクト!〜桁外れの演技力とメイクの力で別人潜入調査!?〜

目の前には、大きなビルが立っている。

「ここが月花鏡グループ……今から潜入する場所なんだ」

『優和、いけるか?』

「うん」

帆高くんとはベルルで通話をつないでいる。

べルルからイヤホンを繋いで、ウィッグで耳を隠しているのだ。

今も私は視線、動き、全てを意識して、月花鏡グループの取引先の会社員 加賀見 日菜を演じている。

それでも、ここから先はもっと気が抜けない。

一瞬の油断が命取りになることは簡単に想像出来た。

「じゃあ、入るね」

パンプスをはいて、姿勢よく歩く。

今の私に自信の無さは要らない。