野いちご源氏物語 五四 夢浮橋(ゆめのうきはし)

まだかまだかと待っていらっしゃる(かおる)(きみ)のところへ、小君(こぎみ)はしょんぼりと帰ってきた。
はっきりしないご報告をするから、
<なんという強情(ごうじょう)な人だ。手紙などやらない方がよかった>
とがっかりなさる。
あれこれご想像をめぐらして、
<まさか、すでに他の男の恋人になっているのだろうか>
とまで、ご自分がそういうことをなさったから、お考えになった。

——と、このようなお話が私の読んだ本には書いてありました。