(おいしそうだけど、食べたくない……)
このような状況でなければ、ここにいるのがジョセフではなく探偵社員の人たちだったら、目の前の料理を見て思ったことは違っただろう。
ジョセフがビーフシチューの皿にスプーンを入れる。それをぼんやり眺めていたハリエットは、気が付けば言葉を発していた。
「父と母を何故殺したんですか?」
「……お前の父親は、私が数々の罪に手を染めていることを知ってしまった。だから殺した。一人じゃ寂しいだろうから、大勢の客と愛する妻と一緒に死なせてやったぞ」
「あの沈没事故はあなたが引き起こしたんですか?」
「ああ。操縦桿を握っている乗務員を眠らせ、珊瑚礁に激突させてやった」
楽しそうにジョセフは笑い声を出しながら話す。それを見て、ハリエットの胸の奥には怒りが生まれていった。こんな身勝手な考えで、大勢の人の命が失われたのだ。
「最低……!」
ハリエットの吐き捨てたその一言に、ジョセフは恍惚の表情を浮かべた。ジョセフの手がハリエットの頰を撫でる。彼女の体に寒気が走った。
「その言葉は私にとって賛美なのだよ」
ジョセフの笑い声が部屋に響いた。
このような状況でなければ、ここにいるのがジョセフではなく探偵社員の人たちだったら、目の前の料理を見て思ったことは違っただろう。
ジョセフがビーフシチューの皿にスプーンを入れる。それをぼんやり眺めていたハリエットは、気が付けば言葉を発していた。
「父と母を何故殺したんですか?」
「……お前の父親は、私が数々の罪に手を染めていることを知ってしまった。だから殺した。一人じゃ寂しいだろうから、大勢の客と愛する妻と一緒に死なせてやったぞ」
「あの沈没事故はあなたが引き起こしたんですか?」
「ああ。操縦桿を握っている乗務員を眠らせ、珊瑚礁に激突させてやった」
楽しそうにジョセフは笑い声を出しながら話す。それを見て、ハリエットの胸の奥には怒りが生まれていった。こんな身勝手な考えで、大勢の人の命が失われたのだ。
「最低……!」
ハリエットの吐き捨てたその一言に、ジョセフは恍惚の表情を浮かべた。ジョセフの手がハリエットの頰を撫でる。彼女の体に寒気が走った。
「その言葉は私にとって賛美なのだよ」
ジョセフの笑い声が部屋に響いた。


