「いったい、どういうことだ!」
バタン、と扉が荒々しく開き、陛下が私たちの待つ部屋に踏み込んできた。
その背後には王妃様とお父様。そして私の元婚約者オーエン様と、あらたに彼の婚約者になった妹のシャルロットまで揃っている。
(まあ……ご丁寧に全員お揃いとは。お別れの挨拶が一度で済むのなら、むしろ好都合ね)
私はひるむことなく、一人ひとりをじっと見つめ返す。
以前の私なら、陛下の怒号や王妃の鋭い視線に怯え、身を縮めていただろう。
けれど今は違う。もう、誰の顔色をうかがうことはしない。
しかし、その態度がお父様には気に食わなかったようだ。
「スカーレット! なんだその目つきは! 陛下に対して無礼だぞ!」
叱責されても、従う義理など何ひとつない。
私は視線をそらすことをせず、お父様を静かに見返した。
「お、おまえというヤツは――!」
「侯爵。もういい。話を始める」
掴みかかろうとした父の腕を陛下が止め、どさりと椅子に腰を下ろす。私は渋々と席に着く父の姿を横目で見ながら、ふっと息を吐いた。
(危なかったわね、お父様。今の私は無力な娘じゃないの。あなたはもう私には触れられない。そういう仕・組・み・になっているの)
そんな私の様子を見て、オーエン様の目が苛立ちに濁った。自分が「支配する側」でいられない状況が、どうしても受け入れられないのだ。
バタン、と扉が荒々しく開き、陛下が私たちの待つ部屋に踏み込んできた。
その背後には王妃様とお父様。そして私の元婚約者オーエン様と、あらたに彼の婚約者になった妹のシャルロットまで揃っている。
(まあ……ご丁寧に全員お揃いとは。お別れの挨拶が一度で済むのなら、むしろ好都合ね)
私はひるむことなく、一人ひとりをじっと見つめ返す。
以前の私なら、陛下の怒号や王妃の鋭い視線に怯え、身を縮めていただろう。
けれど今は違う。もう、誰の顔色をうかがうことはしない。
しかし、その態度がお父様には気に食わなかったようだ。
「スカーレット! なんだその目つきは! 陛下に対して無礼だぞ!」
叱責されても、従う義理など何ひとつない。
私は視線をそらすことをせず、お父様を静かに見返した。
「お、おまえというヤツは――!」
「侯爵。もういい。話を始める」
掴みかかろうとした父の腕を陛下が止め、どさりと椅子に腰を下ろす。私は渋々と席に着く父の姿を横目で見ながら、ふっと息を吐いた。
(危なかったわね、お父様。今の私は無力な娘じゃないの。あなたはもう私には触れられない。そういう仕・組・み・になっているの)
そんな私の様子を見て、オーエン様の目が苛立ちに濁った。自分が「支配する側」でいられない状況が、どうしても受け入れられないのだ。



