野いちご源氏物語 五三 手習(てならい)

比叡(ひえい)(ざん)には(かおる)(きみ)もときどきお参りなさる。
そのついでに僧都(そうづ)に会って詳しい話を聞こうと、浮舟(うきふね)(きみ)異母弟(おとうと)の少年を連れてお出かけになった。
まだ確信は持てないので、女君(おんなぎみ)の親にはおっしゃらない。

<もし本人だったとしても、宇治(うじ)山荘(さんそう)から姿を消した後、何があったか分からない。他の男のものになっていたなどと聞いたら苦しいだろう>
とそんなことまで心配して、道中は思い乱れていらっしゃった。