スマホ男子との上手な付き合い方!

 ……というか今日、やけに人が多いような。いつもはこんなに混んでないのに。

 朝ほどではないけどあんまり自由に身動きは取れない混雑具合に困惑しつつも、いつも乗っている車両に向かう。

「っ、逃したー……」

 けれど、一歩間に合わず。目指した扉は無慈悲にも閉まり、たくさんの乗客を乗せて走り去ってしまった。

 次のは七分後か……立って待っててもいいけど、人が多すぎてぶつかりそう。

『っ……――あっ、ぶね』

 初めてガクくんと会った時も、今みたいな状況だったな。

 今よりも動けなくて、ぶつかって線路に落ちかけて……ガクくんが腕を引っ張ってくれて。

 今日は落ちないように気を付けなきゃな、そうやって点字ブロックの内側で待っていた時。

「璃実ちゃん……っ!」

「えっ? え、何でコトくんがここに!?」

 喧騒の中から一際クリアな声の持ち主、コトくんが私の前に姿を見せた。

 急いで来たのか額にはじんわりと汗が滲んでいて、それすらもコトくんのかっこよさを引き立たせている。

 で、でもコトくん、ガクくんたちと帰ったんじゃ……。