スマホ男子との上手な付き合い方!

 鞄をひったくるように持ち、先生に見つかる前にあの踊り場めがけて走る。

 その間にも雨は強く地面を打ち付けていて、晴れの予報を信じて傘を持ってきていない私はびしょ濡れ確定だ。

 一段飛ばしで階段を降り、教室のある棟よりも一際静かな棟に飛び込む。

 雨のせいで電気が付いているはずなのに暗い棟を走って、踊り場を見下ろすために足を止めた。

 湿気で滑りやすくなっていて足元がもつれたけど、転ばないように踏ん張る。

 ……いた。

「っ、ガクくん!!」

 大きな声で、学校中に響くような声で彼の名前を呼ぶ。

 高索ガクくん。私が一番苦手で、一番責任感の強い彼。

 本当にいるとは思わなくてびっくりしているけど、顔に出さないようにして踊り場まで降りた。

「ガクくん、どうして急に学校に来なくなったの……!? コトくんもキラリくんもユノくんも、どうして……っ」

「……――もう、役目は終わったからだ」

 私の叫びが完全に消えた頃、ガクくんの凛とした声が踊り場に木霊する。

 それを聞いて私は……動けなかった。