中宮様はそろそろ内裏にお戻りにならないといけないけれど、ちょうど六条の院の紅葉が見ごろなの。
「これを見ないわけには」
と若い女房たちは楽しみにしていて、お池に舟を浮かべたり月見をしたりする。
音楽会も毎日開かれているわ。
いつも以上に華やかな六条の院で、音楽のお得意な匂宮様もご一緒に楽しまれる。
女房たちはすっかり匂宮様のお姿を見慣れているけれど、それでも宮様のお美しさには毎回新鮮に感動する。
一方、薫の君は馴れ馴れしく女房に近づくことをなさらないから、なんとなく真面目すぎて近寄りがたい感じがする。
おふたりが中宮様の御前にいらっしゃるとき、侍従は物陰からこっそり覗いてみた。
浮舟の君の女房だったこの侍従は、中宮様の女房になったのよね。
<匂宮様と薫の君、どちらに引き取られなさっても、姫様はきっとお幸せにおなりだった。それなのにどうして自殺なんて>
女房仲間に言えることでもないから、自分ひとりで悲しんでいる。
匂宮様が内裏でのことを中宮様にご報告なさるので、薫の君は遠慮して退出なさった。
侍従はさっと隠れる。
<見つかりたくない。姫様の一周忌もまだなのに、もう山荘を離れたのかと軽蔑なさるだろう>
と恥ずかしくなったの。
「これを見ないわけには」
と若い女房たちは楽しみにしていて、お池に舟を浮かべたり月見をしたりする。
音楽会も毎日開かれているわ。
いつも以上に華やかな六条の院で、音楽のお得意な匂宮様もご一緒に楽しまれる。
女房たちはすっかり匂宮様のお姿を見慣れているけれど、それでも宮様のお美しさには毎回新鮮に感動する。
一方、薫の君は馴れ馴れしく女房に近づくことをなさらないから、なんとなく真面目すぎて近寄りがたい感じがする。
おふたりが中宮様の御前にいらっしゃるとき、侍従は物陰からこっそり覗いてみた。
浮舟の君の女房だったこの侍従は、中宮様の女房になったのよね。
<匂宮様と薫の君、どちらに引き取られなさっても、姫様はきっとお幸せにおなりだった。それなのにどうして自殺なんて>
女房仲間に言えることでもないから、自分ひとりで悲しんでいる。
匂宮様が内裏でのことを中宮様にご報告なさるので、薫の君は遠慮して退出なさった。
侍従はさっと隠れる。
<見つかりたくない。姫様の一周忌もまだなのに、もう山荘を離れたのかと軽蔑なさるだろう>
と恥ずかしくなったの。



