薫の君はお使者から山荘の様子をお聞きになった。
<あっけない最期だったようだ。それにしても宇治という土地の縁起の悪さよ。八の宮様や大君につづいて、姫まで失うとは。鬼でも棲んでいるのか。しかしそんなところに住まわせておいた私が悪い。匂宮様が姫にお手を出されたのも、都から離れた宇治だから気軽だったということもあるのだろう>
ご自分の甘さや、警戒心の薄さを悔しくお思いになる。
母宮様のご病気回復のお祈りどころではなくなってしまった。
石山寺を出て、都にお戻りになる。
三条邸に到着なさっても、ご正妻のお住まいの方にはお行きにならない。
「たいしたことではないのですが、近くで不幸があり、心が落ち着きませんので」
とご正妻にはお伝えして、ご自分のお部屋にいらっしゃる。
浮舟の君との儚いご関係を嘆き、様子や顔立ちがかわいらしかったと恋しく思い出される。
<生きている間はそれほど夢中にもならずのんきに過ごしてしまった。今になって後悔することばかりだ。私は恋人を亡くして苦しむように運命で決められているのだろう。幼いころから出家を望んでいたくせに、いまだにできていないどころか、内親王様を妻にして結婚生活を送っている。それを仏様はお怒りなのだ。私を苦しい目に遭わせてこの世に絶望させ、出家へとお導きになっているのだろう。仏様はお慈悲深いはずだが、こういうときは厳しいお顔をお見せになるらしい>
ひたすらお経を読んで、女君の成仏を念じていらっしゃる。
<あっけない最期だったようだ。それにしても宇治という土地の縁起の悪さよ。八の宮様や大君につづいて、姫まで失うとは。鬼でも棲んでいるのか。しかしそんなところに住まわせておいた私が悪い。匂宮様が姫にお手を出されたのも、都から離れた宇治だから気軽だったということもあるのだろう>
ご自分の甘さや、警戒心の薄さを悔しくお思いになる。
母宮様のご病気回復のお祈りどころではなくなってしまった。
石山寺を出て、都にお戻りになる。
三条邸に到着なさっても、ご正妻のお住まいの方にはお行きにならない。
「たいしたことではないのですが、近くで不幸があり、心が落ち着きませんので」
とご正妻にはお伝えして、ご自分のお部屋にいらっしゃる。
浮舟の君との儚いご関係を嘆き、様子や顔立ちがかわいらしかったと恋しく思い出される。
<生きている間はそれほど夢中にもならずのんきに過ごしてしまった。今になって後悔することばかりだ。私は恋人を亡くして苦しむように運命で決められているのだろう。幼いころから出家を望んでいたくせに、いまだにできていないどころか、内親王様を妻にして結婚生活を送っている。それを仏様はお怒りなのだ。私を苦しい目に遭わせてこの世に絶望させ、出家へとお導きになっているのだろう。仏様はお慈悲深いはずだが、こういうときは厳しいお顔をお見せになるらしい>
ひたすらお経を読んで、女君の成仏を念じていらっしゃる。



