そのころ、薫の君は石山寺に籠っていらっしゃった。
母宮様のご体調がよくないということで、ご病気回復のお祈りをなさっている。
石山寺は都とは別方向なので、宇治の山荘からのご連絡がうまく届かなかったみたい。
薫の君からのお使者が火葬に来ず、母君や女房たちはつらく思っていた。
やっと薫の君がお知りになったのは、火葬まで終わったあと。
宇治のご領地の人が、石山寺までお知らせに上がったの。
薫の君は驚いて、すぐにお使者をお出しになった。
お使者は明け方前に山荘に着いて、薫の君からのご伝言をお伝えする。
「すぐに私自身が伺うべきだが、石山寺でお祈りの最中だからしばらく動けない。すでに火葬も済ませてしまったらしいが、どうして私に相談しなかったのか。私がそちらに行けるようになってから、立派な葬儀をしてあげたかった。姫の人生最後の儀式だったというのに、田舎者にまで悪く言われるほど簡単に済ませてしまうとは。私にとってもつらい」
侍従も右近も何も申し上げられない。
葬儀を早く済ませるしかなかった理由は、絶対に秘密だもの。
涙が止まらないふりをして、お使者にほとんど返事もしなかった。
母宮様のご体調がよくないということで、ご病気回復のお祈りをなさっている。
石山寺は都とは別方向なので、宇治の山荘からのご連絡がうまく届かなかったみたい。
薫の君からのお使者が火葬に来ず、母君や女房たちはつらく思っていた。
やっと薫の君がお知りになったのは、火葬まで終わったあと。
宇治のご領地の人が、石山寺までお知らせに上がったの。
薫の君は驚いて、すぐにお使者をお出しになった。
お使者は明け方前に山荘に着いて、薫の君からのご伝言をお伝えする。
「すぐに私自身が伺うべきだが、石山寺でお祈りの最中だからしばらく動けない。すでに火葬も済ませてしまったらしいが、どうして私に相談しなかったのか。私がそちらに行けるようになってから、立派な葬儀をしてあげたかった。姫の人生最後の儀式だったというのに、田舎者にまで悪く言われるほど簡単に済ませてしまうとは。私にとってもつらい」
侍従も右近も何も申し上げられない。
葬儀を早く済ませるしかなかった理由は、絶対に秘密だもの。
涙が止まらないふりをして、お使者にほとんど返事もしなかった。



