お客と店員だった彼と私はそれ程お互いを掘り下げてはいない。ただ、いつも丁寧に車の窓ガラスを拭く彼が好きだった。短い時間で話し掛けて彼の情報を集めては何度も反芻した。
「嘘ばっか。ライ君、女から金を巻き上げる悪いホストみたい」
思わず苦笑いが漏れる。工場見学のガイドをしている時にも、お客様から好意を寄せられることは少なくなかった。私は自分に寄りつく人に距離を置いたが、ライ君は怖いもの知らずに受け入れるタイプなのだろう。誰にでも優しい彼が来る者拒まず、去る者追わずな様は容易に想像できた。
「嘘ばっか。ライ君、女から金を巻き上げる悪いホストみたい」
思わず苦笑いが漏れる。工場見学のガイドをしている時にも、お客様から好意を寄せられることは少なくなかった。私は自分に寄りつく人に距離を置いたが、ライ君は怖いもの知らずに受け入れるタイプなのだろう。誰にでも優しい彼が来る者拒まず、去る者追わずな様は容易に想像できた。


