妊娠しましたが相手に婚約者がいました。今更私が本命? ご冗談を。

「貴方は私にとって、とっくに特別になってるわ。愛してるわ。清一郎」
そっと目を瞑り、彼の薄い唇に口付ける。

清一郎が私を抱き寄せて、愛おしそうに頭を優しく撫でてくる。
こんな事をされるのは初めてで、何故だか涙が溢れそうになった。

私は胸の中でようやく、長い長い戦いの物語を終えたのだと感じていた。
長年思い描いた復讐の物語ではなく、心を取り戻し、帰るべき場所を見つけた物語だった。