コールが三度鳴って着信に出る。
彼女が私に電話を掛けて来るのは初めてだ。
『真夏、なのね』
「ええ、お母様⋯⋯。私よ。二十年以上ぶりね。こんな早朝に電話を掛けて来るなんて、身内とはいえ不躾だわ。お母様らしくない」
私が本当の私として母、冬城渚と話すのは五歳の時以来だ。
真夜中に人格を交代して筋トレしたり、計画を進めることはあった。
それ以外の時間は無害で無欲で警戒されない作り出した人格に身体を預けた。
その『真夏』が恋をして子を産むとは想定外だった。
(でも、愛しいわ。自分の子はびっくりするくらい愛おしい)
『帰って来なさい! 真夏、この状況について説明をするのよ!』
彼女が私に電話を掛けて来るのは初めてだ。
『真夏、なのね』
「ええ、お母様⋯⋯。私よ。二十年以上ぶりね。こんな早朝に電話を掛けて来るなんて、身内とはいえ不躾だわ。お母様らしくない」
私が本当の私として母、冬城渚と話すのは五歳の時以来だ。
真夜中に人格を交代して筋トレしたり、計画を進めることはあった。
それ以外の時間は無害で無欲で警戒されない作り出した人格に身体を預けた。
その『真夏』が恋をして子を産むとは想定外だった。
(でも、愛しいわ。自分の子はびっくりするくらい愛おしい)
『帰って来なさい! 真夏、この状況について説明をするのよ!』


