妊娠しましたが相手に婚約者がいました。今更私が本命? ご冗談を。

「京極さんの車で戻るわ」

私の言葉に、涼波ライは捨てられた子犬のような顔になる。
彼の瞳には自分とそっくりのアースアイを持つ双子が映っていた。

「ここでお別れよ。涼波ライ。貴方は自分の子を大事にしなさい。この子たちはパパが大好きなの」

双子が京極清一郎に抱っこをせがんでいる姿を見て、涼波ライは涙を流していた。

私の作り出した人格が愛した男は弱っちい。
流されやすいう上に、大人の癖に傷ついた感情さえ隠せない。
確かに私の作り出した『真夏』は、男の弱さを愛おしいと思える優しい人格だった。

でも、私は目的の為に最善の道を感情抜きに選ぶ。
(感情抜きか⋯⋯)