妊娠しましたが相手に婚約者がいました。今更私が本命? ご冗談を。

「清一郎、お前が京極組の将来の事を真剣に考える日が来るとはな」

父は嬉しそうだった。俺が本当に東帝大の法学部に合格した時には、怖いヤクザの顔を忘れ親バカになったように喜んだ。俺はそんな父も騙し捨てられるくらい初めての恋をくれた「マナティー」の為に生きた。
俺は彼女の事を徹底的に調べた。冬城源次郎の妻は自ら極道に入った変わり者のお嬢様とは知っていたが、その正体は驚きだった。

冬城真夏の母親、冬城渚は徳永栄太郎と宝生寺瑠璃子の三女として生まれた。徳永栄太郎は官房長官も務めた大物政治家で、宝生寺瑠璃子は宝生寺財閥のご令嬢だ。