妊娠しましたが相手に婚約者がいました。今更私が本命? ご冗談を。

どうして私は気が付かなかったのだろう。

あの夜電話で「アメリカで手術」と話していたのに、なぜカナダに来たのか。
なぜ、京極清一郎は直ぐにカナダで就職できたのか。

自分の子ではない子を受け入れ結婚までした彼を非常に親切なだけと片付けていた私は愚かだ。
そして、この穏やかで幸せな夢のような毎日を終わらせるのが、双子の父であり私が大好きだった人だとは思っても見なかった。
ライ君から貰ったドライビングシューズは履けないけれど、捨てられずにシュークローゼットの奥にある。

あの靴を履くとシンデレラになったような気になっていたが、本当の私がなりたかったのはシンデレラではなかった。

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