妊娠しましたが相手に婚約者がいました。今更私が本命? ご冗談を。

俺は涼波食品のトップという何千人もの社員の生活に責任を持たなければならない立場でありながら、指定暴力団である冬城組とも関係を持ち始めていた。全ては真夏ちゃんを取り戻す為だった。彼らと接するには弱いと思われてはいけない。俺は過剰なまでにイキッた男になっていた。

涼波食品を自分の価値を高める道具のように扱うことで、父に復讐している気になっていたのかもしれない。

母が自殺の引き金になったのは、涼波圭吾が俺を養子として迎えたいと言った言葉だった。会うたびに妻には愛情がないと言っていた彼に、母は期待していた。でも、父が望んでいたのは跡継ぎの俺だけ。彼の隣には既に新しい愛人がいた。