すると隣の女の子が、少し甘えるみたいな声で東を見る。
「東、一緒に教室行かないの?」
その言葉に、胸がちくりと痛んだ。一緒に行く約束するくらい仲良いんだ。そんなこと考えてる自分が嫌なのに、勝手に考えてしまう。
東は少しだけ首を傾げて、それからあっさり言った。
「え?なんで?俺、天馬と行くから」
その場の空気が、一瞬止まった気がした。
東はたぶん、本気で何も考えてない。本心で言ってる。だから余計にたちが悪い。
だって、普段の東ならこんな言い方しない。たとえその子と二人で行く気がなかったとしても、「みんなで行こう」とか、「途中まで一緒に行く?」とか、もっと相手を傷つけない言い方をする人だ。
なのに今の東は、びっくりするくらい冷たかった。その子は困ったみたいに目を揺らして、それでも無理に笑おうとして、「そっか……」と小さく言った。
その顔が少し寂しそうで、見てるこっちまで苦しくなる。結局、その子はそのまま行ってしまった。



