君に捧げるアイラブユー




体の力が抜けて、後ろに崩れそうになった瞬間、東にしがみつくしかなくて、そのまま教卓の陰に沈むように腰が落ちた。

唇が離れる気配があって、ゆっくりと瞼をあければ、目の前の東の唇から細い糸みたいなものが一瞬だけ見えた。



「……っ」



わ、私の唾液……!?

喉の奥が変に詰まって、さっきまでの感触がまだ口の中に残っている気がしてしまう。

ああもう最悪、いや違う、そうじゃなくて、今それ考えるところじゃないでしょ私!



「すぐり」



東の、いつもより少しだけ柔らかい声に名前を呼ばれて、はっと現実に引き戻される。

慌てて、しがみついていた東の首から腕をほどいた瞬間、急に距離ができてしまって、さっきまで近すぎたのが嘘みたいに心細くなる。

わ、私……こんなの初めてなのに、なんであんなに夢中になってたの!?


顔から火が出そうなくらい恥ずかしいのに、それでも不思議なくらい嫌じゃなかったどころか、胸の奥がふわっとあったかくて、変な安心感まで残ってる。

嬉しかった、って思ってる自分が一番意味わかんない。

でもその一方で、目の前の東はさっきとは違って、少しだけ視線を落としていて、明らかにさっきの空気とは違う顔をしていた。