「汀。西宮のことちゃんと躾けとけよ」
「しつけ……!?」
何それ!?
北見はそれだけ言うと、「じゃあな」と片手を上げて去っていった。
取り残されたのは私と東だけ。空気が一気に重くなる。
まずい。どうしよう。東の顔が見れない。
「えっと、東……」
「俺らも帰る?」
短い言葉。でもその声はどこか固い気がした。
「あ、先生からポスター貼るの頼まれちゃって……今日一緒に帰れないって伝えに来たんだ」
本当は違う。本当は一緒に帰りたかった。今の空気のまま別れるのはもっと嫌なのに。
「じゃあ、手伝うよ」
東はそれだけ言って、スタスタと教室へ向かってしまう。
「ま、待って……!」
私は慌てて後を追う。
やっぱり怒ってる。これ絶対怒ってるやつだ。北見といたの、そんなに嫌だったのかな。



