君に捧げるアイラブユー




………そうだった。

東は以前、私が北見のことを好きなんだと盛大な勘違いをしていたことがある。

そのせいか、私と北見が一緒にいると少しだけ機嫌が悪くなる。

北見の名前を出しただけで微妙な顔をすることもある。


思い出したら少し頬が緩む。

だって嬉しいのだ。東が私を好きでいてくれている証拠みたいで。

だけど同時に思う。東に心配はかけたくない。嫌な思いもさせたくない。好きだからこそ。大事だからこそ。


そんなことを考えていると、不意にひとつの考えが浮かんだ。



「あれ、もしかして……」

「なに?」



北見が怪訝そうな顔をする。

もし東に元カノがいたとして。もし本当に付き合っていた人がいたとして。

それを私に話していない理由。


もしかして――。


私に心配させたくなかったから?

東ならあり得る。十分あり得る。だって東は優しい。優しすぎるくらい優しい。

私が少しでも不安そうな顔をするとすぐ気づくし、落ち込んでいたら放っておけない人だ。

そんな東なら、自分の過去を話して私が嫌な気持ちになるくらいなら言わなくていいと思いそうだ。