「それに私は……」
言いかけて、恥ずかしくなる。こんなこと絶対北見なんかに言いたくない。言いたくないのに。
「……東にもドキドキしてほしいの……!」
ああ言ってしまった。
「は?」
北見が露骨に変なものを見る顔をする。
「いつも余裕そうで、私ばっかり振り回されてて悔しいから……!」
言い終わった瞬間、死にたくなった。
何言ってるんだろう私。恥ずかしい。穴があったら入りたい。
「ほんとにそんなこと思ってんの?西宮って、やっぱ汀のこと分かってないな」
「な……!」
同じ中学だったからってマウントとってるの…!?
なんだか悔しくなって思い切り睨みつける。すると北見は珍しくクスクスと笑った。
「お前、南野に揶揄われてんだよ」
「や、やっぱりそうなの……?」
思わず肩の力が抜ける。



