爆弾だ。完全に爆弾発言だった。
勉強終わったらね。
勉強終わったらって何。何をするの。
東はそれ以上何も言わず、何事もなかったみたいに問題集へ視線を戻した。
信じられない…!こんなに人をドキドキさせておいて…!こんなに期待させておいて、こんなに意識させておいて!
そのまま勉強に戻るの!?無理だよ!私の頭の中は今、数学どころじゃないんだから!
ノートを開いても東の言葉しか浮かばない。問題文を読んでも全然頭に入らない。
だって全部、「勉強終わったらね」に上書きされてるんだから。
ひどい。あまりにもひどい。
でも好き!
そんな感情がぐちゃぐちゃに混ざって胸の中で暴れている。対する東は平然と問題を解いている。その横顔がまたかっこよくて腹が立つ。余裕そうな顔が悔しい。私だけがこんなに振り回されてるみたいじゃない。
でも、ふと思い出す。我慢できなくなるから。さっき東は確かにそう言った。
じゃあもしかして……東も少しは同じなのかな。
私だけじゃなくて、東も私を見てドキドキしてくれてたりするのかな。
そう思った瞬間、また顔が熱くなる。
だめだ。本当にだめだ。
今日の勉強、人生で一番進まないかもしれない。



