「……東?」
私の心臓が一気に跳ね上がる。
え、なに。どうしたの。
東の右手がどんどん近づいてくる。
顔へ。頬へ。近い。近い近い近い。
待って。もしかして。もしかしてだけど。キスとか……?
好きって言い合った直後だし。ふたりきりだし。東のお家だし。期待するなっていうほうが無理だよ。
頭の中が大騒ぎになる。
どうしよう。え、待って。心の準備とか全然できてない。
いや……なんて考えているうちに、東の指先が私の頬に触れ、ひゃっと声が出そうになる。
思わず目を閉じかけた次の瞬間、むにっと頬をつねられた。
「な、なんですか?」
キスじゃなかった!恥ずかしい!
絶対今の期待してた顔、見られた気がする!消えたい!
「西宮、ずっと顔にやけてる」
「へ!?」
慌てて自分の口元を触る。
「かわいいから、やめてね」
「……。」



