君に捧げるアイラブユー




正直、勉強どころじゃなかった。私はオレンジジュースを一口飲みながら、そっと東を見る。

数学の教科書を開き、問題に目を落としている東。

真剣な表情。整った横顔。長いまつ毛。高い鼻筋。制服の袖から少しだけ見える手首。

どれも全部かっこよくて、どうしようもなく好きだった。

付き合っている今でも時々信じられなくなる。見れば見るほど好きになってしまう。好きだと思うたびにまた好きになる。まるで終わりがない。


じっと見つめていると、ふいに東が顔を上げた。

ぱちり、と視線がぶつかる。心臓が大きく跳ねた。



「どうした?」



優しい声。低くて柔らかい声。私だけに向けられた声。



「……んーん、なにも」



慌てて首を振る。でも本当は言いたいことがたくさんあった。


その声が好き。その笑い方が好き。私を見ると少しだけ優しくなる目が好き。

口角が上がる瞬間が好き。三日月みたいに細くなる瞳が好き。

私の名前を呼ぶ声が好き。照れた顔が好き。困った顔も好き。真面目な顔も好き。

優しいところも、少し意地悪なところも、全部好き。

東の全部が好き。


胸の中に溢れている感情は、もう隠しきれなかった。



「……東、好き」