君に捧げるアイラブユー




しばらくして、両手にコップを持った東が戻ってくる。テレビの前にあるローテーブルへ腰を下ろし、私を見る。



「おいで」



たったそれだけなのに優しくて、その一言だけで胸がきゅうっとなる。

私はぎこちなく歩いていき、東の向かいに座った。



「西宮、もしかして緊張してる?」

「うっ……東のお家だーって、なんか一気に実感湧いちゃって……」

「なんだよ、それ」



東は楽しそうに笑う。そしてバッグから教科書や問題集を取り出し始めた。

その横顔を見ながら、私は心の中で小さくため息をつく。

分かってないなぁ。東は全然分かってない。

私は別に東の家だから緊張してるわけじゃない。もちろんそれもあるけど、一番の原因は東自身だ。

だって今だってそう。正面にいるだけでドキドキする。目が合うだけで嬉しくなる。名前を呼ばれるだけで顔が熱くなる。そんな相手なんだもん。


なのに今は東の家だ。

東が毎日過ごしている場所だ。どこを見ても東の気配がする。空気まで東のものみたいに感じる。そんな場所にいるんだから、平常心でいられるわけがない。