君に捧げるアイラブユー




「今日は、ここで勉強しよう」



そう言って東はテーブルに教材を置く。



「……ふーん」



思わず少しだけ不満そうな声が出てしまった。



「なに?部屋がよかった?」



東が面白そうに笑う。

もちろん東の部屋でふたりきりなんて緊張で死ぬと思う。でも、だからといって見たくないわけじゃない。むしろ見たい。すごく見たい。

好きな人がどんな部屋で生活しているのか気になるのは当然じゃない?机の上に何を置いてるのかとか、本棚にどんな本が並んでるのかとか、どんな音楽を聴いてるのかとか、そういう小さなことまで全部知りたい。

知れば知るほど東を好きになってしまう気がするけれど、それでも知りたい。


……あれ。待って。今の思考、かなり危なくない?好きな人の生活を細かく知りたいとか、行動を知りたいとか。

もしかして私、ちょっとストーカーっぽい?



「部屋は、今度ね」



東が何気ない調子でそう言った瞬間、私の耳はその言葉だけを何度も繰り返していた。

今度。今度ってことは、また来る予定があるってことだよね?今回だけじゃないってことだよね?