君に捧げるアイラブユー




学校の最寄り駅から一駅先。東の家へ向かう間、私はずっと落ち着かなかった。

電車の窓に映る自分の顔を見ては変じゃないか確認して、髪を整えて、制服を直して。

だって彼氏の家だよ?初めてだよ?人生で初めて好きな男の子の家に行くんだよ?緊張しない方がおかしい。

そしてついに到着した。



「どうぞ」



東が玄関の扉を開ける。その瞬間、私は重大なことを思い出した。



「……どうしよう、私手土産とか持ってきてないよ!」



彼氏の家に初めてお邪魔するのに手ぶらって大丈夫なの!?ケーキとか?お菓子とか?そういうの必要だったんじゃないの!?

経験値ゼロの私には分からない。でも絶対何か持っていくべきだった気がする。彼女として減点じゃない?むしろ失格じゃない?


焦りまくる私に、東は苦笑した。



「気にしなくていいよ。今日、誰もいないから」

「……え?」



靴を脱ぎながらさらっと言われた言葉に、私は固まる。



「今日、帰り遅くなるって言ってたし。俺と西宮のふたりきり」

「…………。」



ふたりきり。

今なんて言った?ふたりきり?東と?この家で?誰もいない?つまり保護者ゼロ?大人ゼロ?完全なる密室?いや密室ではないけどほぼ密室では?


頭の中で警報が鳴り響く。

危険です。危険です。理性が危険です。