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「んー、満席だな」
放課後。テスト勉強をするために東と一緒に図書室へ向かった私は、扉の前に立った瞬間、その言葉の意味を理解した。中を覗けば、机も椅子もびっしり埋まっていて、空席なんてひとつも見当たらない。
テスト期間中の図書室って、こんなに混むんだ……。
普段あまり利用しない私は、その光景に少し驚いてしまう。
「どうしよっか……」
どうしよう。もしここで「今日はやめとく?」なんて言われたら。
せっかくの放課後なのに!せっかく東と一緒に過ごせる時間なのに…!
もちろん名目はテスト勉強だ。分かってる。分かってるけど、私の中ではほぼ放課後デートみたいなものだった。だから今さら解散なんて絶対に嫌だ。そんなの悲しすぎる。
東と少しでも長く一緒にいたい。勉強なんて二の次……いや、一応一番だけど。
「俺ん家くる?」
「……へ?」
俺ん家……?今なんて言った?
私の脳みそがその言葉を理解するまで数秒かかった。



