君に捧げるアイラブユー




ぎゅっと腕を掴まれて、時間が止まったみたいに体が固まる。次の瞬間、耳元に東の声が落ちてくる。



「それは、放課後ね」



耳に直接触れたみたいな距離で、声だけじゃなくて息まで感じそうで、頭の中が一瞬で真っ白になる。

視界に入った東の顔は、少しだけ赤くなっていた。



「……っ、」



心臓がうるさすぎて、呼吸の仕方を忘れそうになる。

顔が熱い、絶対真っ赤になってる。

金魚みたいに口をぱくぱくさせることしかできない私を見て、東は満足したみたいに小さく笑って、ぽん、と頭に手を置いた。そして何事もなかったみたいに、東はそのまま歩いていってしまった。



「……ず、ずるい!」



それって絶対、さっきの「抱き着きたい」って言ったことに対する返しだよね!?

つまり、分かっててやったってことだよね!?

そう思った瞬間、さらに顔が熱くなる。

もう無理…。

真っ赤になった頬を隠しながら、それでも視線だけは東の背中を追ってしまう。

教室に入る直前、東が一瞬だけこちらを見た気がして、その視線だけでまた心臓が跳ねる。

どうしたって振り回されてしまうのが悔しいのに、嬉しくて、どうしようもなくて、私はしばらくその場から動けなかった。