さっきのキスは、一瞬だったのに。
東は少しだけ顔を傾けて、優しく触れては離れ、また触れて。
そのたびに私の心臓は大きく跳ね上がる。
「…っ、ん」
合間合間に、西宮、と大好きな声で名前を呼ぶから、たまったものじゃない。
ただでさえ余裕なんてどこにもないのに。
触れられるたび心臓は跳ねるし、近すぎる距離に頭はまともに働かないし、何を考えればいいのかさえ分からない。
そんな状態で名前まで呼ばれたら、もう無理だった。
東の声が好きだ。
少し低くて、落ち着いていて、優しくて。
真面目な声も好きだし、笑うと少しだけ柔らかくなる声も好きだし、私を呼ぶ声はもっと好きだった。
その大好きな声が、こんな至近距離で何度も私の名前を呼ぶ。
「…っ、西宮」
そのたびに胸の奥がぎゅっと締め付けられる。
好きだ。本当に好きだ。
改めて思い知らされる。
東のことが好きで好きで仕方ない。



