君に捧げるアイラブユー




しばらくその場で立ち尽くしてから、私は近くの空き教室へ逃げ込んだ。

ガラリと扉を開ける。誰もいないことを確認してから中へ入り、そのまま扉に背中を預けた。



「はぁぁぁ……」



長く息を吐く。静かだ。教室の喧騒も聞こえない。ようやく一人になれた気がした。

ゆっくり目を閉じる。冷静になれ。冷静になれ私。大丈夫。大丈夫だから。

東はああいう人だったじゃん。距離感がおかしいし、誰にでも優しいし、思ったことすぐ口にするし。今に始まったことじゃない。そう。慣れてるはずだ。今まで何度も振り回されてきたじゃん。

だから落ち着いて。深呼吸して。冷静に考えよう。



…………いや、それにしても…振った相手にも関わらず、普通あんなこという?



「……。」



しゃがみ込んだまま黙り込む。しばらくは混乱していた頭も、だんだん別の感情に支配され始めていた。


……あれ?なんか。なんか急にイライラしてきたかも。

いや、なんで私がこんなに振り回されなきゃいけないの?振ったの東なんだよ。混乱させてるのも東だ。

こっちは必死に忘れようとしてるのに、勝手に近付いてきて、勝手に話しかけてきて、勝手に心臓をかき乱して。意味が分からない。