「まあ、私は切り替えが早いからね!」
「そうだ、すぐり! あんなやつ忘れろ!」
三木が勢いよく拳を握る。私も負けじと笑ってみせる。わざとらしいくらい明るく。
でも、本当に切り替えが早いのかなんてわからなかった。だって東が初恋だから。誰かを好きになったのも初めて。告白したのも初めて。振られたのも初めて。
失恋したらどうなるのかなんて知らない。
みんなどうやって立ち直るんだろう。どれくらい経ったら平気になるんだろう。私にもいつかそんな日が来るんだろうか。
「今日の放課後、慰め会を開こう」
「ええっ、いいんですか? 部活は!?」
「一日くらいいいわよ。任せなさい!」
「さすが三木さま!」
「もっと崇めなさい」
「もつべきものは三木!」
少しだけ元気が出て、二人で笑う。
そうだ。考えないようにしよう。東のことは一旦忘れよう。
そう思っていた。思っていたのに。
「へぇー、いいね。楽しそう。俺も混ぜてよ」
「……!?!?」



