「天馬は、いいの?」
「なにが?」
「西宮が俺のこと好きでも、いいの?」
言った瞬間、自分の声が少しだけ震えているのが分かった。
なんでこんなことを聞いてるんだろう。確認したところで何が変わるわけでもないのに、それでも聞かずにはいられなかった。
天馬は一瞬だけ俺を見て、それから呆れたように視線を外し、わざとらしいくらいのため息を吐いた。
「西宮のこと好きなんて言ったことないよな?汀、昨日西宮に言ったことと同じことしてるの気づいてる?」
その一言で、心臓の奥を指で押されたみたいに息が詰まる。
「……。」
返せなかった。いや、返す言葉が見つからなかった。
頭の中で何かがゆっくり崩れていく感覚だけがあって、気づけば視線を足元へ落としていた。
天馬の言うとおりだ。昨日の俺は、西宮に対して決めつけて、勝手に結論を出して、相手の気持ちを確かめることもしないまま否定した。
あのときの西宮の顔が、遅れて胸に刺さる。



