そんなわけがない、そう思おうとした瞬間、自分の都合のいい解釈が勝手にそう聞こえただけなんじゃないかと必死に否定しようとしたのに、
その直後に脳裏へ焼き付いて離れなかったのは、あの震える声で告げられた、
『……1年のときからずっと……東だけが好きだった……!』
という言葉と、真っ赤になってそれでも目を逸らさなかった西宮の顔で、
その映像だけが何度も何度も再生されて、消そうとしても消えなくて、気づけば一睡もできないまま朝になっていた。
寝不足で鈍く痛む頭を押さえながらも、心の奥ではずっと別の声が暴れている。
「よかったじゃん。両想いで」
天馬は特に何も考えていないみたいに、風でも話すみたいな軽さでそう言った。そ
両想い、という単語だけが妙に耳の奥で反響して、頭の中でぐるぐる回る。
もし、仮に。
昨日の告白が本当だったとして、それを“事実”として受け取ったとしても、天馬はこんなふうに何も変わらないのか?
胸の奥が妙にざわついて、確かめるみたいに口を開いた。



