君に捧げるアイラブユー




西宮。

好きだよ。


ずっと。ずっと好きだった。たぶんこれからも好きだと思う。

だけど、だからこそ、この気持ちは言わない方がいいんだろうなと思った。

この気持ちは胸の奥にしまっておこう。誰にも言わずに。西宮にも知られないまま。


困らせたくなかった。邪魔したくなかった。たとえ俺のことを好きじゃなくても、変に気を遣わせたくなかったし、心配だってさせたくなかった。

だから言わない。言えない。



『西宮は、これでしょ』



そう言って指を差したのはカルピスソーダ。西宮が以前、自販機の飲み物の中で一番好きだと言っていたもの。



『え!?なんで分かるの?』

『前、言ってたの覚えてない?苦手なのは、これでしょ』



今度は隣の缶コーヒーを指差す。



『すごい!なんで覚えてるの?』



その言葉に思わず笑いそうになる。なんで。そんなの決まってる。



『んー。なんでだろーね。西宮の言ってたことは全部覚えてるよ』



西宮は一瞬きょとんとして、それから照れたように笑った。

好きだからだよ、西宮。好きだから。

あの日、放課後の教室で綺麗だと言われた日から、俺はずっと西宮の言葉を集めていた。取りこぼしたくなかった。忘れたくなかった。


好きな食べ物も。嫌いな食べ物も。好きなドラマも。苦手な教科も。何気なく漏らした愚痴も。笑いながら話した夢も。

全部。全部覚えていたかった。